ご案内

銀行を訪ねて、定期借地権だと、地主にとっても駐車場にしておくより税務上有利になる場合があることを説明し、紹介を頼んだ。
小路の脇に帥坪前後の青空駐車場があると、土地のオーナーを調べて、直接もっとも賃貸物件に関しては、ロンドンやパリに比べて、家族用の戸建て住宅がまったく不足していることを思い知る結果にしかならなかったがI。 こうして私は、このエリアに関してだけは、不動産会社の営業マンもビックリするほどの事情通になった。

プロであるはずの彼らが私に、分譲された土地の売れ具合を聞いてくる。 この地域のよさを家族とともに体でわかったうえで、愛情を持って調べているのだから、当然ともいえる。
もっとも、この時点ではまだ、「お宅通」というよりは「宅地通」になったばかりだ。 もともと、このエリアは住宅地として人気が高いこともあり、バブルがはじけた後とはいえ、優良物件はすぐに売れてしまう。
売却物件の買い手がすぐにつくということは、地主はことさら定期借地権にする必要はない。 だからまったく定期借地権や借地権の動きはなかった。
そんななかで、あるときチラシで1件だけ旧借地権の売買になっている物件をみつけた。 エリア内のほとんどの更地物件を見、付近の相場を知り抜いていたから、私はすぐに反応したかった。
ところが不思議なことに、このチラシは出てからすぐに無効になったということで、引っ込められてしまった。 常に情報交換をする仲になっていた駅前の大手不動産会社の営業マンに聞いても、あそこはどうも難しいらしいというばかり。
しかし私は、その古屋の建っている土地のたたずまいがなんともいえず気に入っていたから、どこに住まいたいかは、人それぞれ異なるだろう。 ずっと住み慣れた故郷を離れたくない人もいる。

会社や仕事上のアクセスを優先して、とにかく便利なところがいい人もいる。 子どもの教育優先の家族もいれば、親の介護のために実家の近くに住まなければならない息子や娘もいるだろう。
いずれの場合も、私のように希望の土地に3年以上住むことができたら、より自分や家族にフことだろう。 鬼門は、3年待って私に、門を開いた。
古屋のポストに、自分が借地権を買う気持ちがあることを連絡先とともに手紙に書いて入れておいた。 ニ度ほど入れた。
結局2カ月以上経ってから、古屋の住人の代理人である不動産会社から私に連絡があり、商談が急転直下進むことになる。 関係者の手前、詳しくはここで述べないが、住宅業界ではよくあるちょっとしたトラブルが原因で止まっていた話が、土地を所有することに関心のない私の登場で再び進みはじめたのだ。
まわりの不動産会社のプロたちの誰もが、動くと思っていなかった話がである。 それにしても、このめぐりあいが、私の旧宅から東北の方角で起こったことは、一体どうしただから、もし気に入った地域があるならば、賃貸でまずその土地に住んでみるという手もある。
ロンドンやパリでは、そうした良質な賃貸住宅の供給がかなりあるから、借りた家のエリアが気に入ったから、近くに物件を買い求めるという自然な流れもできていた。 からだ。
また、もし、その土地を100%所有するこだわりを捨てられるなら、より広い土地の利用権だけを手に入れて、余裕をもった家づくりをすることができる。 「借地権」なら所有権の価格だから、同じ予算なら逆に広い土地の利用権を入手できることになる。
毎月かかる地代は、通常は駐車場代くらいの額である。 「定期借地権」なら、最初に払う保証金(妬年とか帥年とかの期間地主に預けるもの)は通常、所有権売買額の3%くらい(さまざまなスタイルがあり、毎月の地代の額によっても条件が異なる)だから、一時的にかかる費用を画期的に少なくできる。
「定期借家権」を使って、建築協力金をはじめに払い、地主とともに家を建て、そこに一定期間住まう権利を確保するというスタイルも出てくるだろう。 新しく建てた家もしくは共同住宅は地主の所有だが、新築するので間取りなどの内部設計は借り主の自由にできる。

ただし、期間が過このように、土地に関するプロの事情通ではなく、その土地が好きだから、気になるから、もっと知りたいからというアマチュアの「宅地通」が増え、また同時に、土地の所有というスタイルにはこだわらないが自分自身で家を建てたい「お宅通」が増えていくなら、日本の住宅はもっと豊かになっていくだろう。 緑豊かで端整な日本の街並みを守るという意味でも、なんでもかんでも業者任せにせず、家を建てる主人公が、自ら「宅地通」や「お宅通」になることが求められている。
さらに「コーポラティブ」で良質な住宅地に共同で土地を求め、コーディネーターとともに、自分たちで連棟型の戸建てやマンションのような集合住宅を建てる方法もさかんになる。 土地の占有にこだわらず、その土地の歴史や文化という目に見えない価値の利用権を共同で求めてから、その上にある空間をどのように利用するか、自由に設計する喜びをとる人たちだ。
各世帯ごとの空間的な割りつけ(部屋決め)が終わった後の仕事は、まったく戸建て住宅を建てるのと変わらない。 構造や外観の設計はコーディネーターが音頭をとってくれるので、外装を気にせず、自分の家の中味にだけこだわることができる。
でも、ジョーズの歯のように古屋を食いちぎるパワーショベルによって粉々にされた家の残骸は、一体どこへ行ってしまうのだろう?改築や建て替え、あるいは新築しようとして入手した土地に古屋が建っている場合などは、古い家の一部あるいは全部を解体して処分する。 塀や立木や敷石やガレージなど、外構部分もすべて壊して更地にすることもあるだろう。
普通は見たくもない作業だから、ハウスメーカーや工務店に任せてしまい「解体作業一式100万円です」といわれれば、他に判断材料もないので、ああそうですかとついつい生返事をすること今解体現場で思い知る理想と現実や今回私自身が購入した古屋の解体をお願いしたのは、大空土木という東京の会社で、埼玉に中間処理施設であるリサイクルセンターを持っている。 中間処理施設というのは、建築現場や解体現場から出た廃材を、最終処分場である埋め立てがれきや金属くず、コンクリー卜などの瓦喋類も、それだけを分別収集できれば、ほぼ100%の再利用が可能だ。
再利用が進めば、埋め立てにまわさなければならないゴミはどんどん減る。 ところが現実は、そう甘くない。
設計のTさんと一緒にこの中間処理施設を見学させてもらって、その現実を目の当たりにした。 混じることなく選別されればとかそれだけを分別収集できればという言葉を自分がいままでいかに軽々しく使っていたか、恥ずかしくなった。

もちろん、そのような状態に一歩でも近づいて、より多くの資源の再利用を可能にするために、リサイクルセンターでは何段階もの努力が重ねられてはいるのだが…4トントラックー台分の廃材をリサイクルセンターに持ち込んで、紙くず、木くず、金属くず、コンクリートなどの瓦喋類を選別すると、約3%が再利用可能な資材として生まれ変わり、5%が焼却されたあと、埋め立てにまわるものは10%だけになる。 ところがこれには、20万円のコストがかかる。

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